COMMUNITY_PLANNING

【レポート】みんなで公園をつくる、楽しむ「メイドイン芹ヶ谷」。FIRE MEETINGを開催しました!

2020.03.02

1982年(昭和57年)に開園した町田市立芹ヶ谷公園が、未来に向けて進化しようとしています。

全国的に少子高齢化が進む中、町田市でも2018年に初めて人口が減少し、これからも住みやすく活気のある楽しいまちとして存続していくためにはどうしたらいいのかを、市民みんなで考えていく必要が出てきました。

かつては「商業の街」「郊外ベッドタウン」として栄えた町田。しかし時代が変わり、買い物はインターネットや他のまちでもできるようになりましたし、今後は働き方が変化して通勤から解放され、好きなまちや住んでいるまちで過ごす人々が多くなると予想されている中で、次の時代に向けて、町田の魅力を見直す時期に来ています。

だからこそ今、町田で暮らす私たちがそれぞれの立場からまちをもっと楽しみ、まちの中に友達や居場所を増やし、積極的にまちに参加していくことが「未来の豊かな町田」をつくることにつながるのではないでしょうか。

そんな大きな変わり目にある町田市において、みんなの憩いの場として愛されてきた芹ヶ谷公園を、さらに素敵な面白い場所にしていこうという動きが始まりました。それが芹ヶ谷公園“芸術の杜”の構想です。

大規模な取り組みだからこそ、旧来のように行政や一部の関係者だけで進めてしまうのではなく、まちの主役である市民と一緒に意見やアイデアを出しながら、みんなに使ってもらえるこれからの芹ヶ谷公園をつくっていきたいというのが町田市の強い想い。

2020年1月26日、芹ヶ谷公園では“芸術の杜”の実現を目指し、市民みんなで公園を活用していく実験/実践プロジェクト「Made in Serigaya(メイドイン芹ヶ谷)」の第1弾のイベントが、公園内のあちこちで同時開催されました。その1つである、焚き火とポップコーン&コーヒーのイベント「FIRE MEETING」を中心に、この日の芹ヶ谷公園で繰り広げられた市民のみなさんの様子をレポートします!

“芸術の杜(げいじゅつのもり)”って何?

これまでに集まったさまざまなアイデアを元に芹ヶ谷公園が活用されている様子のイメージ図。芹ヶ谷公園“芸術の杜”プロジェクトCONCEPT BOOKより

ところでみなさん、芹ヶ谷公園“芸術の杜”の構想について、どんなふうに思っていますか? 

「聞いたことはあるけど、よく分からない」

「閉館した町田市立博物館の代わりに、工芸美術館ができるんでしょ?」

そんなふうに思っている方も少なくないかもしれません。でも、芹ヶ谷公園“芸術の杜”はもっと広がりのある、ワクワクする構想なんです。

公園全体を、みんなの創造の場へ

「お金をかけて立派な建物だけつくったってダメだよね。本当に市民が利用する価値のある、次の時代の町田のにぎわいや文化を生み出していくような場所にしないと」

そう気がついた町田市は当初の構想から大きく舵を切り、町田市立国際版画美術館の隣に(仮称)国際工芸美術館を開設するだけに留まらず、これらの文化施設と公園全体を融合し、まちなかで行われている活動とも連動させて、「芹ヶ谷公園全体を、みんなが創造性やアクティブさを発揮して楽しむ場にしていこう」と考えています。これが芹ヶ谷公園“芸術の杜”の本当の目指す姿です。

芹ヶ谷公園“芸術の杜”のコンセプトは「パークミュージアム」。それは、通常の博物館や美術館のように展示されているものを鑑賞する場所というだけでなく、芹ヶ谷公園の豊かな自然を体験しながら学んだり、公園内にさまざまなステージを設けてみんなが活動を発表し合ったり、多様な人たちが集まっていろんなことを話したり生み出したりする場所。つまり「公園全体を、みんなが主役となって参加できる文化的活動の場所にする」というのがパークミュージアムの考え方なのです。それにはスポーツや遊びや憩いなども含まれます。

未来の芹ヶ谷公園には、今まで以上に町田の内外からいろんな人とカルチャーが集まり、公園内での交流や活動を通して新たなカルチャーが生み出され、それがまた町田のまちなかや各地域にも広がっていくことでしょう。まちと呼応し、ワクワクが生み出され続ける公園…夢がふくらみますね!

私たちの芹ヶ谷公園を一緒につくろう

2019年9月29日に町田市立国際版画美術館で開催した「町田を面白がる会 〜芹ヶ谷公園の未来を考える編〜」の様子。

そんな未来の芹ヶ谷公園をつくるためのメンバーの1人として、市民である私たちも、既に大いに期待されています。

町田市は、2019年の秋から「町田を面白がる会 芹ヶ谷公園の未来を考える編」「芹ヶ谷公園の新たな使い方を考える編」などの市民参加のアイデア出しイベントを開催してきました。

公園の新たな活用方法をみんなで実験・実践するための「メイドイン芹ヶ谷」プロジェクト。芹ヶ谷公園“芸術の杜”プロジェクトCONCEPT BOOKより

その「面白がる会」で市民から生まれたアイデアも踏まえ、2020年、芹ヶ谷公園の新たな活用方法をみんなで実験・実践するために発足したのが「Made in Serigaya(メイドイン芹ヶ谷)」プロジェクトです。私たち市民は誰でも、このプロジェクトに参加することができます。

その実験の一環として「自分だったらこの公園で何をしたいか、どんなふうに過ごしたいかを、焚き火を囲みながら考えてみませんか?」というのが、1月26日に多目的広場の一画で行われた「FIRE MEETING」です。

この日、焚き火を囲んでくださったのは、このまちで生まれた子どもたちとパパ・ママ、町田の学校に通う学生さん、長年このまちに暮らすご年配の方、他のまちから偶然町田を訪れた方など、予想以上に多世代・多様な人々。公園内で同時開催されていた国際版画美術館での展示を見に来た方や、夕方から池の周りで行った桜美林大学によるライトアップイベントの関係者・参加者の方々もいらっしゃいました。やはり焚き火と椅子と食べ物があると、人は自然に集まりたくなるものですね。みなさんポップコーンとコーヒーを味わいながら、芹ヶ谷公園に対する自分の想いを表現してくださいました。その一部をご紹介します。

焚き火を囲んで、公園の未来を考える

【30代夫婦と2才の男の子】

奥さんはおじいちゃんの代からの町田っ子、旦那さんはご結婚されてから4〜5年町田に住んでいるというご夫婦が来てくださいました。

旦那さん「近所に住んでいるので芹ヶ谷公園は常連です。僕は休日だけですが、奥さんと息子は平日も朝から夕方まで公園にいます。未来の芹ヶ谷公園に望むことは、やはり子どもたち中心の公園であってほしいですね。都会でこの自然公園は貴重だと思います。それを生かして、あまり近未来的な公園にはしてほしくないです」

奥さん「この公園には食べ物がないんですよね。自動販売機もほとんどない。一度公園に入ると、コンビニに行くまでに20分くらいかかってしまいます。ちょっとしたおやつやパン、飲み物などを買える屋台や売店みたいなものがあるとうれしいです。今日の焚き火のようなリラックスできるイベントは良いですね。公園に行こうという理由になります。イベントと言っても大袈裟なものでなく、こういう日常的な感じの内容もいいと思います」

【60代の女性2人】

お友達同士で焚き火にあたりに来てくださいました。お1人は近所にお住まいで、毎日のように犬を連れて芹ヶ谷公園に散歩にいらっしゃる方。もうお1人の方は町田市内に住んでおり、今日は国際版画美術館で開催されていた江戸切子の展示を見にいらっしゃったそうです。

犬を連れた女性「芹ヶ谷公園がなかった頃から町田に住んでいます。昔ここは川が流れていて、川底だったのよ。この公園には、朝早い時間にはおじさんたちが太極拳をしていたり、また別のグループがラジオ体操をしていたり、日中はお子さん連れのお母さんたちが来たり、1日を通していろんな人が来ています。ここの良い所は自由であること。あれしちゃいけない、これしちゃいけないがあんまりないでしょ。管理されすぎない方がいいわよね」

ご友人の女性「木を切りすぎないでほしいです。生い茂ると公園が暗くなるという意見もあると思いますが、切るのは必要最小限にして、この自然を生かしてほしい。飲食店は、まちなかに行けばいくらでもあると思うので、それより私がここに求めているのは、起伏や土の上を歩けること。アスファルトの上ばかり散歩してもつまらないでしょ? 自然を感じて歩きたいから、私はわざわざここに来ます。あとは、私たちよりもこれからの町田を担う若い人たちの声をたくさん聞いてほしいですね」

【桜美林大学芸術学群の学生さんたち】

1月25日〜27日には、芹ヶ谷公園の池のあるエリアで、桜美林大学芸術学群の学生さんたちが、ライトアップイベントを行いました。そのメンバーのみなさんも、焚き火にあたりに来てくれました。ほとんどの学生さんが、このライトアップイベントをきっかけに初めて芹ヶ谷公園を訪れたそうです。

横浜出身の学生さん「芹ヶ谷公園の印象は、広いなぁ! 草木が多いなぁ!と感じました。今回の私たちの作品は、この公園には湧き水があって蛍がいるという話を聞いて現地をリサーチしながら発想しました。横浜生まれの私は蛍を小さい頃に1回くらいしか見たことがなく、あとはゲームや映像の中でしか知りません。アルバイトも都心に行っていて、日頃こんなに草木に囲まれることがないので気持ちがいいです」

長野県出身の学生さん「町田駅前の印象とは全然違って、自然がたくさんあり、実家のある長野みたいだと感じました。こういう場所もあったんですね」

山梨県出身の学生さん「芹ヶ谷公園には今まで来たことがありませんでしたが、自然が豊かで広くて良い場所だと思いました。ユーチューバーやプロの歌手を呼んでイベントをしたり、ライブペインティングなどをすると、若い人ももっと来たくなるのではと思います。学校の中にはダンスや絵など、いろんな芸術をやっている子がいるので、そういうのをもっと公園でもやると良いかもしれないです」

ちなみにこの日も夕方から、芹ヶ谷公園の池と東屋のあるエリアで、彼女たちの光のインスタレーションが行われました。樹々と水を背景に繰り広げられる、蛍をイメージした幻想的な光景に、公園を訪れた多くの人が足を止めて魅了されていました。昨年の「面白がる会」でも市民から「公園の奥の方へ行くにつれて面白くなくなる」という声が聞かれましたが、このようなイベントが日頃から開催されるようになると、雰囲気もグッと変わりそうです。

また、このライトアップイベントのさらに奥のエリアでは、町田市内の「相原にぎわい創生プロジェクト」から「相原の竹あかり」の展示も同時開催されていました。

このように、町田市内のいろんな地域や団体のアートカルチャーが、芹ヶ谷公園を発表の舞台として活用するようになることは、まさに「パークミュージアム」として目指していきたい未来像の一つです。実現しそうな兆しが既に感じられますね。

【30代の町田生まれ町田育ちのママと男の子】

1月10日〜2月16日まで、国際版画美術館では町田市公立小中学校の子どもたちの作品展が開催されており、焚き火に集まってくださった方の中には、展示されている子どもの作品を見るために芹ヶ谷公園を訪れた人もいらっしゃいました。

「芹ヶ谷公園は自分も子どもの時によく遊んだ場所です。噴水での水遊びには連れてきていましたが、今日は子どもの展示をきっかけに久しぶりに来ました。私が小さい頃遊んでいた木の遊具がだいぶ傷んできていて、危ないのではないかと感じます。そろそろつくり直した方がいいんじゃないでしょうか。でも、つくり直す時もまた木でつくってほしいです」

この日は他にも親子連れが多くいらっしゃいましたが、多目的広場の使い方はもっと工夫できそうだという声は複数の方から聞かれました。例えば、一部に芝生やウッドチップを敷いて、座って寛げるようなスペースもあるといいと言う方もいました。

確かに、昔は谷底だったせいか地面の水捌けが良くなく、午前中に雨が降ったこの日も多目的広場の地面はぬかるんでいました。「公園でもっと座ってくつろぎたい、寝転がりたい」という気持ちがある人は多いのかもしれません。

みんなで真剣に要望を書きました

その他、「FIRE MEETING」に参加 したみなさんが書いた「芹ヶ谷公園×○○(あなたが弾ける瞬間)」をご紹介します。

みんなで演奏会、気軽に音出しできる場所がほしい/LIVE/大きなブランコ/焚火/BBQ/工作/秘密基地/広場に遊具を増やした方がいい/子どもの飲める飲み物を買いたい/子どもたちや親達のコミュニケーションをとれる場所としてワークショップを定期で開催/お洒落なカフェがあるとママ友と来やすい/パーキングの整備(コンクリートにしてほしい)/ボランティアを募ってイベント開催しても面白いかも?(やってみたい)/木(自然のもの)を使った子どもが安全に遊べる遊具/赤ちゃんからお年寄りまでが楽しめる公園/イベントがたくさんあると人が集まりそう/カブトムシ・クワガタがいつまでもたくさんとれる/リス・蛍に会える/花見/アスレチックジム/長いローラーの滑り台/芝生スペース/スタンプラリーのようなもの(季節で変えると面白いかも)/スピードを感じたとき/達成感があったとき/動いて汗をかいたとき/迷路などの大型遊具/樹木をたくさん残すという考えも大切/じゃぶじゃぶ池/身近にキャンプ体験ができるイベント/子どもは宝探しイベントなど/昆虫や動物を探す会/出会いが生まれる公園(ベンチの間隔が近い等)/焚火を囲んで同じ年の人と話す/ハンモック/夜の暗さ対策/遊具/歴史や自然を考慮した公園/いつまでも犬の散歩が出来る場所/テントが張れる場所をつくってください/自然と人と犬と和やかな空間/クラフトビール/パンやコーヒーなどの軽食が食べられるお店があるといいな(キッチンカーなど自然を壊さない感じで、手作りショップなども)/ベンチが増えたらいいな/雨でも来やすい、楽しめるような半屋外的な施設もあれば/楽しいイベントがいつもある/ドッグラン/どんど焼き/デイキャンプ/転んでも大丈夫な遊具場をつくってほしい/明治神宮のように若者も気軽に集えるカフェが森の中にあってほしい/冬は大規模なイルミネーション/森の中の演奏会が出来るスペース/子どもの遊具の充実&若者がくつろげるスペース/子どもと一緒に体を使って思い切り遊ぶ/ダンス/広くて楽しくて明るい公園/雨でも遊べる室内体育館がほしい/巨大迷路とアート作品配置/犬が自由に歩ける遊歩道がほしい/子どもたちが安全に遊べる遊具公園/0歳、1歳が遊べる室内施設/コンサート/火を燃やせてお肉を焼ける/ターザン/ブランコ/幼児コーナー/プール・室内プール(夏も冬も温水)/水遊び/野外なので、切腹ピストルズ(和太鼓)を呼んだり、大掛かりな装置等を設置しない自然を活かしたイベントをやったら素敵/ピザ窯/宇宙を感じる公園、天体観測会、星が見れる公園/年に数回キャンプができる/たくさんの本/紅葉を使ったツリーハウス/泊まりたい、静かな夜を過ごしたい/あまり物を増やさず、今の環境を残したい/鉄棒がほしい/映画上映会/音楽/コミュニティガーデン/小さな図書館

「ものづくり」のワークショップと屋台もやってみました

「FIRE MEETING」では、焚き火の周りで缶バッジづくり、ルームプレートづくりのワークショップも開催し、子どもたちを中心にたくさんの人がものづくりを楽しんでいました。

また、この日に用意した約150名分のポップコーンとコーヒーは、残らず配り終えてしまいました。

いつもの芹ヶ谷公園に焚き火やファニチャー(ベンチやテーブルなど)、軽食、ものづくりの場所が加わるだけで、たくさんの人が集まり、交流し、思い思いに楽しい時間を過ごせることが分かった実験イベントでした。

次は2/22、焚き火でBBQしましょう!(イベントは終了しました。次回は4月中旬以降の開催予定です)

 さて、この市民参加型公園づくりのプロジェクト「Made in Serigaya」の次回のミーティングイベントが2月22日に予定されています。

「パークミュージアムラボ #1」と題したこのイベントでは、ゲストに都市における居場所づくり研究の第一人者である園田聡さんを迎え、芹ヶ谷公園“芸術の杜”構想や「パークミュージアム」のコンセプト、「Made in Serigaya」プロジェクトの今後の内容などについて、みんなで一緒にBBQをしながら共有し、意見を出し合っていきます。

「自分も今後、芹ヶ谷公園でのイベントや活用法を企画してみたい!」など、この「Made in Serigaya」の取組みに積極的に関わってみたい方は、ぜひご参加ください。もちろん、みんなでBBQを楽しみたいという動機でも大丈夫です。

>>詳細&参加申し込みはこちら(イベントは終了しました。次回は4月中旬以降の開催予定です)

7月には「パークミュージアムフェスティバル2020(仮)」も予定

そして2020年7月には、この「Made in Serigaya」で取り組んでいく実験・実践活動の発表の場として、「パークミュージアムフェスティバル2020(仮)」の開催を予定しています!

これは例えるなら、芹ヶ谷公園を舞台としたみんなの文化祭みたいなイメージ。町田の多様な文化芸術の活動や、公園の豊かな自然を体験しながら学び楽しむことができる体験型の活動を、実際にみんなで持ち寄ったり企画したりしながら公園で実践してみることを目的としたイベントです。ふつうの公園ではなかなか実現できないけれども、まちの人々の主体的な活動が公園の魅力となって新しい文化を創造していく「パークミュージアム」だからこそ実現できるさまざまな取り組みが一堂に集まる特別な日にしたいと考えています。

その具体的な内容については、今後のMade in Serigayaの活動でも企画していきます。引き続き、このプロジェクトをみんなで楽しんでいきましょう!

イベント協力

特定非営利活動法人子ども広場あそべこどもたち(せりがや冒険遊び場)
相原にぎわい創生プロジェクト

COLLABORATION PARTNER