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【レポート&動画】町田を面白がる会 「町田シバヒロの新しい使い方編」〜未来町田会議vol.1〜
2019.06.13
▼ イベント動画を全視聴できます。レポートと合わせてお楽しみください。
町田を面白がる会 「町田シバヒロの新しい使い方編」| 未来町田会議
【動画】町田を面白がる会 「町田シバヒロの新しい使い方編」| 未来町田会議広場や公園の新たな活用法を住人中心に考えませんか?移転した町田市役所跡地に2014年にできた「町田シバヒロ」、利用したことはありますか? 競技用の芝生が植えられた約5700㎡の巨大な広場が、市街地のすぐ近くにあるなんて、他の都市ではなかなかお目にかかりません。「広場」は昔から「皆のもの」と相場は決まっています。町田シバヒロもオープンして以来、フットサル交流会や子ども達のレクリエーション、アウトドアブランドの大規模な展示会など、青空の下に広がる大きな敷地面積を生かした様々なイベントが開催されてきました。町田市は、このシバヒロを「もっと日常的に市民に使ってほしい、それを町田の活性化につなげたい」と考えています。その糸口を見出すため、2019年5月18日(土)、町田住民や町田に関心を持つ人達を集め、市の職員も一緒に混じりながら、「町田を面白がる会 – 町田シバヒロの新しい使い方編 –」というイベントを開催しました。その様子をレポートします!レポートはこちら→ https://machida.life/report/354/
YADOKARIさんの投稿 2019年6月8日土曜日
Facebook動画で視聴できない方はYoutube動画(こちらをクリック)も視聴可能です。日中野外イベントのためプロジェクター&スクリーンが見えずらい部分がございます。レポートと合わせてご覧ください。
移転した町田市役所跡地に2014年にできた「町田シバヒロ」、利用したことはありますか? 競技用の芝生が植えられた約5700㎡の巨大な広場が、市街地のすぐ近くにあるなんて、他の都市ではなかなかお目にかかりません。
「広場」は昔から「皆のもの」と相場は決まっています。町田シバヒロもオープンして以来、フットサル交流会や子ども達のレクリエーション、アウトドアブランドの大規模な展示会など、青空の下に広がる大きな敷地面積を生かした様々なイベントが開催されてきました。
町田市は、このシバヒロを「もっと日常的に市民に使ってほしい、それを町田の活性化につなげたい」と考えています。その糸口を見出すため、2019年5月18日(土)、町田住民や町田に関心を持つ人達を集め、市の職員も一緒に混じりながら、「町田を面白がる会 – 町田シバヒロの新しい使い方編 –」というイベントを開催しました。その様子をレポートします!
「面白がる会」って何?
さて、そもそも「面白がる会」って一体何でしょうか?
この日のゲストは、自他共に認める熟練「オモシロガリスト」である唐品知浩(からしなともひろ)さん。「面白がる会」とは、唐品さんが全国各地で開催している「課題解決型ブレスト飲み会」のことです。
唐品さんはこれまで、お住まいの調布市で仲間と始めた「調布を面白がる会」を始まりとして、神田・日本橋・横浜・広島・京都・宮崎などのさまざまな地域や、不動産・働き方・多拠点居住・PTA・父親・恋愛離れなどの多岐に渡る見過ごせないテーマについて、参加者と一緒に面白がってきました。
難しい課題も「自分事」に。常識を外してみる
唐品さん「面白がる会の3原則は『会議室でやらない』『ポストイットは使わない』『ベースは飲み会』。難しい課題に対して、自分事として捉え、今までの慣例や常識に縛られず、こうだったらいいなというアイディアを参加者でブレストしていく会です。
飲み会でワイワイ語り合うノリで、ちょっとぶっ飛んだアイディアでもいいからまずは出してみて、それから実現可能なラインを探すというやり方をします。飲み物を片手に、立場も関係なく、堅苦しくない雰囲気の中で話すと、初対面の人でも打ち解けやすく、まちづくりのような一見難しそうなテーマでも、皆から柔軟なアイディアが出てくるのが良い所です」
この日の参加者は総勢40名。町田市内に住んでいる方はもちろん、相模原市など近隣の街や、都心部からわざわざ参加してくれた方も。シバヒロに張られた真っ白なテントの下で、恒例の「乾杯!」からイベントはスタートしました。
町田市の状況とシバヒロへの想い
まずは町田市役所 経済観光部長の井上誠さんから、町田の置かれている状況やシバヒロへの想いについてお話しいただきました。
井上さん「町田市は昨年、市政60周年、つまり還暦を迎えました。もともといくつかの町や村が合併して誕生した当時の人口は、約6万1千人。現在は約43万人です。高度経済成長期には国策で団地ができて、当時は抽選でなければ入れないほど人気だったんですが、今は団地全体が高齢化して、空室も出ています」
井上さん「都市のイメージが強い町田ですが、小山田や小野路といった北部丘陵地帯では、電柱も見えないような素晴らしい自然が今もあります。
中心市街地は、二・六の市に代表されるように昔から商業が盛んなエリアで、再開発も進んで大型商業施設も数多くできました。一方で、一帯の建物の老朽化という課題もあります。2032年には多摩都市モノレールが町田まで延伸する予定なので、その駅ができる辺りで街が変わっていくと思います」
井上さん「一方で、町田市では『20年型保育』の取り組みも行っています。市が20年間お金を出すので、それを使って民間が保育園を開設・運営できるという内容です。総人口は少し減りましたが、若年層の流入・転入は増えており、今までのこうした施策の効果が出ているのではないかと思います。
日本全体が成熟社会を迎えており、今後、町田市の人口減少も進むだろうと思いますが、未来も選ばれる街でありたい。そのためにも、町田シバヒロをもっと活用していきたいと考えています」
「町田らしさ」の創出に向け、シバヒロをどう使う?
ここで唐品さんから、井上さんへの質問が。
唐品さん「“町田らしさ”って何ですか? 実はあまり印象にないんですよね。僕の私的な印象で言うと、山崎団地に親戚が住んでいたとか、高速乗るのに渋滞するよねとか、そのくらい。昔だと『絹の道』や『二・六の市』で、商業の街というイメージがあったかもしれないですが、“今の町田らしさ”って何ですかね?」
井上さん「雑多な街、という感じでしょうか。『街にないもの』は無いが、『これが町田』という突出したものが無い。逆の言い方をすると『何でも受け入れる文化がある』とも言えます。新しいことをやるには適した街ではないかと思いますね」
唐品さん「課題はどんな所にあるんですか?」
井上さん「例えばここシバヒロでイベントをする時にも、音の問題や苦情があります。しかし、市の方では活用していかなきゃと思っています。シバヒロを、市民への貢献、町田のブランド力に貢献する場所にしていきたいんです」
唐品さん「まずはこのシバヒロを、皆で使い倒さなきゃいけないよね!シバヒロの課題は『使い方』ですね」
井上さん「町田市の目標は、市民の皆さんが『町田に住んでて良かったよね』と思える街にすることですね。子ども達が町田を好きになって、周辺の方々も町田に来たくなるような街にすること」
唐品さん「“町田らしさ”を作らないと今後厳しいよ、というのが町田の課題なんですね。シバヒロを盛り上げ、周りの人が来たくなるようにするにはどうしたらいいか、皆で話し合ってみましょう」
この後、参加者は4つのチームに別れ、それぞれ活発にアイディアや意見を出し合いました。
シバヒロの使い方アイディア、発表!
では、この日の「面白がる会」で生まれた各チームのアイディアをご紹介します。
【Aチーム】
お神輿大集合/誰もが参加できるバリアフリーお神輿/オペラ愛好家による芝生でオペラ/テントを張ってキャンプ/星を見るイベント/芝生に寝転んで映画を見るイベント/何か置くと芝生が枯れることを逆手に取ってミステリーサークルを作る/盆踊り/茶会(野立て)/小学校同士の交流会/ダンスやスポーツの場/鍋パーティーなど
貸し出し料金が市民にあまり知られていない。
唐品さんコメント「お神輿はいいアイディアですね。今は町内会でやっているけど、これからは会社ごとに神輿を作るとか、ママ仲間で作るとか、いろんな人が参加できるように。子どもだけのキャンプもいいね。子どもは意外と、親が干渉して来ない機会を求めていたりするんです」
【Dチーム】
スペインのサグラダ・ファミリアみたいな、100年完成しない未完成のシンボルをDIYで皆で作る(カフェでもモニュメントでも何でもいい)/巨大なシャボン玉を作るイベント/家庭からビニールプールなどを持ち寄って、いろんなプールがある日/野宿/芝生でゴロゴロするイベント/大きい物を乾かしちゃうイベント/一部を畑にする/チャレンジショップを集めたイベント
シバヒロの名前やゲートなどが分かりやすいように表示されていないので、ここが何の場所だか、入っていいのかも分からない。
唐品さんコメント「確かにゲートなどがあると、そこにフラッグを付ければすぐにイベント会場として場づくりが完成するみたいなのは良いよね。100年完成しない○○も良い、それをDIYでやるというのも。釘を1本でも打つと『自分の場所』という感覚が出てくる。ゴロゴロも良いね、ゴロゴロを分析したいね。『ゴロゴロの聖地町田』みたいになると良い」
【Bチーム】
野外のサードプレイス的な存在/地元の人と移住者との融和の起点(町田市で1974年に行われた「23万人の個展」のように)/シバヒロキャンプ(アウトドア用品の貸出し)/穴掘り大会&落とし穴(落ち方の良さを競う。クリーニング屋さんがスポンサー)/巨大迷路/地元の食材を使った料理選手権&マルシェ/古着の町田ファッションショー(100mのランウェイを作る)/青空学童・青空寺子屋・青空子ども食堂/市議会も青空議会(ネクタイ禁止&裸足)/シバヒロの増殖(屋上や使い道未定の土地はすべて芝生にする条例を定め「芝生と言えば町田」へ)
唐品さんコメント「放課後の青空学童、良いですね。机を並べて、できることを表示して『僕これ教えます』みたいなふうにすると、いろんな人が集まりそう」
【Cチーム】
大規模なヨガフェス/街中と町田の田舎の方をつなぐサイクルポート/スポーツ大会(町田には陸上競技の強豪チームが多い)/雑木林にする(木陰のないところには人は集まらない)/大きなテントを核にテント村、テント常設、テントごとにイベントを開催/オリンピックも意識して本格的なスポーツとしての「鬼ごっこ」を町田から(町田市が真剣に人材を育て「町田といえば鬼ごっこ」)/川を流す
シバヒロの感度の高いチラシ広告などが必要。都会の中の貴重なサンクチュアリ(聖域)として、シバヒロへのリスペクトが必要。芝生を何十年も維持していくのも良い活用法ではないか、そのためにシバヒロ・ファンクラブを作って維持費を集める。
唐品さんコメント「町田で皆がやっている活動を知れるイベントも良い。告知物のデザインもすごく大事、かっこいいイメージを作って『あのシバヒロでイベントできるの?』というブランド力をつける。これからは動画も効果的だと思う。ファンクラブも良いアイディア。会員になると使用料が安くなるとか。まずはFacebookグループからでも始めてみると良いと思います」
皆のアイディアを聞いて、町田市の方の感想は?
さて、全チームの発表が終わったところで、市役所の井上さんにコメントをいただきました。
井上さん「シバヒロ・ファンクラブなど、市役所の中にいては思いつかないようなアイディアが、たくさん聞けたことが非常に良かったです。今日のアイディアのどれが実現できるかまだ分かりませんが、今後、前向きにブラッシュアップしていければと思います」
参加者の声
最後に参加者に今日の感想を伺いました。町田に嫁いで20年住んでいると言う、ヨガ・インストラクターの女性は、
「知り合いに誘われて参加しました。シバヒロの存在は知っていましたが、使いきれていない感じでもったいないと思っていました。今日は、いろんな方の自由な発想や着眼点が面白かったです。住民として、町田に人を呼ぶ側として、今後もいろいろな形で関わっていけたらと思います」
シバヒロのすぐ近くにあるネパール料理屋「ソルティーモード」のご店主は、
「日頃から、町田を有志でもっと面白くしたいと活動しています。今日は参加してみて、こういうことを繰り返しやっていくのが大事だと思いました。皆、町田に対していろいろ思っているんだけど、言う場所が無いんです。市の人にも伝える機会がないし。こういうふうに直接話ができる場は貴重ですね」
町田に生まれ育ち、町田が大好きだと言う、30代のまちづくりファシリテーターの女性は、
「町田は地域に愛着のある人が多いんですよね。私も物心がついた時から高校生まで、町田で完結していました。町田は、地域との距離が近い街だと思います。同世代や若い世代に、もっと街に関わってほしい。自分達でイベントを企画したり、若者達が自らアクションして楽しんでいる街になってほしい。自分もその一助になれればと活動しています。今日の参加者は顔ぶれも若く、これから町田が変わっていく感じがしてワクワクしました」
ご主人の転勤を機に町田に住んで3年になる、2人の男の子のお母さんである40代の女性は、
「今まで住んでいた埼玉県には自分の活動の場がありましたが、今住んでいる町田にも関わりを深めたいと思って参加しました。こういう機会を通して話も深まるし、知り合いにもなれて良いですね。シバヒロに来たのは今日が初めてで、入り口すら分かりませんでした。住んでいるだけで関われなかった町田で、今日知り合った人を介して、自分も何かできたら嬉しい。勇気を振り絞って来た甲斐がありました」
皆、街に関わるきっかけを探している
この「町田を面白がる会」を通して、実はたくさんの人が町田を思っていて、その思いを語り合ったり、街に関わるきっかけを探しているんだ、ということが分かったのではないでしょうか。このイベントが、その一つの機会になったなら嬉しいですね。
これを始まりに、皆で町田に関わり、町田を面白がり、面白い街にしていくことができたら。今後も続く「町田シバヒロ」の活用や、中心市街地の活性化、町田の魅力づくりに、皆さんに引き続き関わっていただきたいと感じたスタッフ一同でした。