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住んで働き、住んで楽しむまちを目指すコワーキングスペース/COMMUNE BASEマチノワ 山本満さん

2020.08.15

【施設名】COMMUNE BASEマチノワ
【ジャンル】コワーキングスペース&ギャラリー
【ご担当者】山本満さん
【所在地】中町3丁目 

住宅街に佇むコワーキングスペース

小田急線町田駅の北口を出て、シバヒロ、町田税務署を通過してしばらく歩くと、住宅街の中に、なにやらスタイリッシュな建物が。この建物は、「COMMUNE BASEマチノワ」。2017年4月にオープンしたコワーキング&ギャラリースペースです。

町田、相模原、新百合ヶ丘の方を中心に、多い日は1日に30人近くの方が利用することもあるマチノワは、どこか懐かしく、そして安心感のあるオフィス空間が特徴です。

マチノワのコーディネーターである山本満さんの「木の匂いがするでしょ?」という言葉通り、マチノワに1歩足を踏み入れると、暖かみのある木の香りに包まれます。

なんとマチノワの家具の多くは、町田近隣の森で間伐された木材を使用したオーダーメイドのものだそう。地元の間伐材を何かに使うことはできないかという山本さんのアイデアのもと、お知り合いの建築家、林業家とともに、木を間伐し、天日干しをし、それを家具に組み立てていったそうです。

Wi-Fi完備、個室あり、カフェコーナーありと機能面での利便性はもちろんのこと、こういった山本さんのこだわりから、マチノワならではの暖かみのあるオフィス空間が作られています。

コワーキング&ギャラリーという個性


マチノワで実施されたイベントのチラシ

現在は地元の方々に愛されているマチノワですが、オープン当初は「全然人が来なかった」そう。一体どのように、利用者の輪を広げていったのでしょうか。

山本さん最初は集客が思うようにいかなかったので、これはイベント打つしかないと思って、イベントを1年間に4、5回打ったんだよね。それで集まってきたかもしれない。イベントが会員増に繋がるかは微妙なとこだけど、知名度は上がったと思います。

うちのホームページにもコワーキング&ギャラリーって書いてあるんだけど、そんな感じでいきたいなと思ってる。コワーキングでそれなりに集客・収益を得ながら、ギャラリースペースの活動を通して人を集めて、地域の人の輪を作っていく、そんなところですかね。」

ある時は日常の働く場所として、またある時は非日常のギャラリー空間として。一見対極に思える2つの顔を併せ持つことで、多くの町田人を惹きつけるマチノワ独自の魅力が生まれているように感じます。

町田は女性が活躍する街

かつては通過点だったという町田に本格的に関わるようになって3年。山本さんに町田の印象を伺いました。

山本さん「女性が活躍してる街かなって感じがする。マチノワの周りに女性が多いってことなのかも。活躍してやる気のある女性が多いって感じがする。

マチノワは意外と女性とか女性アーティストが多い。最初の会員さんは女性のアーティストで、その人は町田に住んでるんだけど、地元のアーティストに出会う場所がないっていう風にメールが来て、ここに来れば会えるんじゃないかと。そんな人から始まって、ちょっと今集まってる。特にイベントとして利用する人のほとんどが女性なので、見ていて頑張ってるなと思う。」

マチノワのロビーにある特大テーブルには、「活動的な多くの町田女性が利用するマチノワ」を象徴するかのように、町田の女性彫刻家である高あみさんの美しくも力強い作品が飾られています。

お気に入りの場所はシバヒロ

さらに山本さんは、町田の好きなところとして、シバヒロへの思いをお話してくれました。

山本さん「シバヒロが気に入ってます。何もないところが気に入ってる。普通は何か建物とかを作りたがるけど、それを芝生の広場として残すっていうのは素晴らしいと思う。町田の貴重な財産。ああいうのって街の中になかなかないんだよね。公園だとけっこう規制が多かったりするから。規制もないし自由だし、みんな喜んでるよ。シバヒロは町田のシンボルに成りえるんじゃないのかな。」

この日もマチノワへの道中には、友人たちとバドミントンをしたり、親子でサッカーをしたりと、思い思いにシバヒロを楽しむ人々の姿がありました。

住んで働き、住んで楽しむまちへ

では、マチノワという場所で多くの働く町田人を見つめてきた山本さんは、町田の未来についてどのように考えているのでしょうか。

山本さん「アーティストの人と話をしてると、町田の住民はアートとかを楽しむのに新宿や渋谷に行っちゃってる。だから、町田で何か起こせないかと盛んに言われる。人は地産地消とは言わないんだろうけど、そういう場所やチャンスがあるといいよね。女性の活躍も含めてだけども。

やっぱりここはベッドタウンじゃん。寝るとこだから。じゃなくてやっぱり、特にコロナなんか起きたからさ、もっとここに住んでここで働くみたいな、もしくはここで楽しむとか。そんな風に住んで働く場所、住んで楽しむ場所になってほしい。そういう仕掛けが必要なんじゃないかな。その中で手助けになれば良いなと思いますけどね。」

コワーキングの枠にはまらない挑戦を

最後に、山本さんにマチノワとしての今後のビジョンを伺いました。

山本さん「食える機会が作れるといいよね。NPOとか色んな活動をしているけどボランティアベースが多いじゃないですか。もうちょっと何か収益が入るようなことを。ここは場所貸しなんで、快適なオフィスを提供してるっていうのも大事なことなんだけど。仕事を創り出すとまでは言わないんだけど、何か(繋がりを作る)そういう仕組みができたら良いかな。

あとは(施設として)もう3年経ったので、もうちょっと脱皮したいと思っている。どういう脱皮が良いかなって今考えてるんだけど。コワーキングの枠にはめられないで、社会にインパクトを与えたり、人々が楽しくなるような何かを、コワーキングという場所を上手く使いながらできないか。会員さんがここを使ってフリースクールを始めるんだけど、そうした活動を応援するとか。そういう新しいことに挑戦して自分も楽しくなりたいということですかね。」

交通の便が良いからこそ、都心で働き、都心で遊び、「帰ってくる場所」というイメージのある町田。しかしこの街には、魅力ある人がたくさん住んでいて、魅力ある施設がまだまだたくさんあります。町田に住んで働き、住んで楽しむ。マチノワを中心にそんなまちの輪が広がっていったら、町田はさらに活気ある味わい深い街になっていくのかもしれませんね。

取材にご協力いただいた山本さん、ありがとうございました。

【施設情報】
COMMUNE BASEマチノワ(コミューン ベース マチノワ)
所在地:東京都町田市中町3-10-6
TEL:042-860-6491
営業時間:8:30~21:00
定休日:なし(年末・年始を除く)
URL:http://cb-machinowa.com/

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