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町田の子育て家族を応援するフリーマガジン/『らぶ♡ふぁみ』 西行恵さん、藤吉香織さん

2021.02.09

【団体名】らぶふぁみ事務局
【ジャンル】フリーペーパー
【ご担当者】西行恵さん、藤吉香織さん

町田で子育てをするママたちが作る、ファミリーのための応援マガジン『らぶ♡ふぁみ』をご存知でしょうか。2017年9月に創刊され、子連れでも入りやすい市内の飲食店の紹介、ママの健康に関する特集、子育て世代が利用できる便利なサービスの紹介、町田駅周辺の授乳室・こどもトイレ情報、町田で活躍する素敵なママやパパの紹介など、子育て世代に役立つ情報満載で、町田で子育てをする多くの家族に愛読されているフリーマガジンです。そんな『らぶ♡ふぁみ』の編集・発行を行っているのが、町田駅周辺のエリアで子育てをするママたちで構成される「らぶふぁみ事務局」です。今回は、企画会議を行うこともあるというシバヒロにて、らぶふぁみ事務局代表の西行恵さんと、3号から発行に携わっている藤吉香織さんにお話を伺いました。

町田ママたちの挑戦

企画会議の様子@町田市生涯学習センター

『らぶ♡ふぁみ』を創刊したのは、町田駅周辺のエリアで子育てをする5人の現役ママたちでした。

西行さん「町田市生涯学習センターの家庭教育支援学級で学んでいるママ同士で、こんなことが知りたいよね、街にこういう場があったら良いよね、という話をよくしていました。学級を卒業した後も、自分たちでも何かできないかと話していた時に、なんで町田市って子育てに特化したフリーペーパーがないのだろうという話が出てきて。自分たちにできるのかなという不安もありつつ、じゃあ作ってみようかとなりました。

周りのママさんたち、特に町田へ引っ越してきたママさんたちと話をしていると、町田駅はアクセスも良いし周辺に飲食店もたくさんあるのに、子連れで入りやすい飲食店を探しにくいという声が多かったので、子連れ歓迎のお店の情報が1つにまとまっていて、子どもとのお出かけを応援できる冊子づくりを目標に動き始めました」

こうして動き始めた『らぶ♡ふぁみ』。編集の経験がない5人のママたちが手探り状態で企画を考え、取材をし、執筆をして1つの冊子を作りあげるのは、想像以上に大変な作業だったそうです。飲食店のアイドリング時間が幼稚園のお迎えと被ってしまうことも多く、子どもたちを迎えに行くグループと取材に行くグループに分かれて活動するなど、皆さんで協力しながら、時間をかけて創刊号をつくりあげていったそうです。こうして、2017年9月に16ページの『らぶ♡ふぁみvol.1』が4000部発行されました。

ママ目線のこだわり

創刊以来、半年周期でフリーマガジンを発行している『らぶ♡ふぁみ』。ホームページの作成ではなく冊子の発行にこだわるのには理由があるそうです。

西行さん「はじめはネットでやらないんですかという話もあったのですが、産後のママは心のバランスが不安定だったり、目が疲れて見えにくくなったり、スマホを見るのが辛い時がある人もいると言われています。私自身もそのひとりでした。それに、冊子の場合は自分が知りたい情報以外の情報も目に入るので、気になって読んでもらえたりするのかなと。冊子の大きさも、荷物が多くなってしまうママ達が持ち歩きやすいように、あえて小さいサイズにしているんです」

読者と同じように子育て真っただ中のママたちが作っているからこそ、多くの子育て世代に愛読される冊子づくりができるのですね。

新しい子育て世代の力に

『らぶ♡ふぁみ』は地元の子育て世代や、子育て世代をターゲットにする地元企業からの反響も大きく、半年に1回の新刊ごとに発行部数がどんどん増えていきました。2018年9月に発行されたvol.3からは、趣旨に賛同した保育園協会会長の計らいによって、市内の多くの法人私立保育園で『らぶ♡ふぁみ』が配布できることになり、より多くの人の手に冊子が届くようになったそうです。応援企業も徐々に増え、2020年3月に発行された最新刊の『らぶ♡ふぁみ vol.6』では、ページ数、発行部数共に最多の、28ページ、13000部が発行されました。

西行さん「vol.3くらいから、見たよって声をかけてくださる方が増えた気がします。マンションに引っ越してきたばかりのママさんに『らぶ♡ふぁみ』を渡したら、らぶふぁみ事務局のInstagramをすでにフォローしてくださっていて。引っ越してきてわからないことだらけなのですぐにフォローしましたと言われて、すごく嬉しかったです」

西行さん、藤吉さん共に、他の土地から引っ越してきて、町田のことが何もわからないところから子育てをスタートされました。そのなかで感じた「こんなものがあったらいいな」を形にした『らぶ♡ふぁみ』が、新しい子育て世代の力になっているのはとても素敵ですね。

時代の流れに寄り添ったものを

らぶふぁみ事務局が主催したハロウィンワークショップの様子@COMMUNE BASEマチノワ

らぶふぁみ事務局では『らぶ♡ふぁみ』の編集・発行に加えて、地域イベントのプロデュースを行い、町田に住む親子の交流の場を作っています。これまでに、町田パリオや小田急百貨店といった駅前の商業施設や、町田駅から徒歩10分のところにあるコワーキングスペース・COMMUNE BASEマチノワなどを会場に、子育て世代向けのセミナーや親子で楽しめるワークショップを開催してきました。冊子づくりに留まらず、子育て世代に寄り添った活動を行うらぶふぁみ事務局。今後の展望を、お二人はどのように考えているのでしょうか。

西行さん「その時々の世間の流れによって、子育ての大変さやママたちの思い、悩むことも変わってくると思うので、その時のママたちに寄り添ったものを作っていけたらなと思っています。フリーマガジンの『らぶ♡ふぁみ』は、子どもと一緒におでかけをするというのがテーマなので、未就学児や小学校1,2年生くらいまでがターゲットですが、らぶふぁみ世代が終わった子どもたちが学べる場を作っていきたいなという思いもあります」

藤吉さん「らぶふぁみ事務局は毎年、町田駅周辺の商業施設を会場に開催する『パリコレッ!キッズフェスティバル』という大きいイベントに携わっているのですが、今年はたくさんの人が一カ所に集まるのは、どうしてもリスクがあるので開催を見合わせました。コロナがこれからどうなるかわからない状況ですが、ママたちの声を集めて、少しでも親子が楽しめるようなイベントを考えていけたらなと思います」

町田はのびのび子育てができる街

最後に、これまで町田の中心市街地で子育てをしてきたお二人に、この街の印象を伺いました。

藤吉さん「仕事柄、年配の方と接することが多いのですが、町田は親切な方が多くて、困っていると声をかけてくれたり、去年町内会の活動をした時には私たちの知らないことを影で色々サポートしてくださったり、本当に感謝だなと思います」

西行さん「小学校の登下校の見守りボランティアの方々は毎日子どもたちを見てくださっているので、表情を見て元気がないことに気付いたら一緒に歩いてくださったり、こうやって見守ってくれているんだなと思うと、親として嬉しいです。地域のなかでのびのび育っているなぁと思います。

『らぶ♡ふぁみ』は地域の人に応援されながら作ってきたもので、ここまで活動してきたなかで、人との繋がりがすごい街だなと感じました。新しいことを始めようとする私たちの話にも耳を傾けてくれたり、人を紹介して繋がりを作ってくれたり、私たちより少し上の世代の先輩たちが、素敵な人が多いなと思います」

まち全体で子どもたちを見守る。少し前の世代ならば当たり前だった風景は、昨今ではとても貴重なものになりました。町田で子育てがしやすいのは、時代が流れていくなかで、変わっていくものと変わらないもののバランスが良い街だからなのかもしれません。上の世代から温かさを引き継いだママたちが作る『らぶ♡ふぁみ』が、時代の変化に沿った新しい情報を発信することで、町田はもっともっと子育てがしやすい街になりそうですね。

取材にご協力いただいた西行さん、藤吉さんありがとうございました。

【団体情報】
らぶふぁみ事務局
MAIL:infolovefami@gmail.com
URL : https://machidalovefami.amebaownd.com/

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