PEOPLE
モルックが町田を知るきっかけになってほしい/モルック町田 たかっちさん
2021.03.29
【ジャンル】スポーツ
【ご担当者】たかっちさん
■フィンランド発のスポーツ「モルック」
モルックというスポーツをご存じでしょうか。
フィンランドの投擲競技で対戦形式。「スキットル」と呼ばれる数字が書かれた木製のピンを、「モルック」と呼ばれる同じく木製のピンを投げて倒します。倒れたピンの数字の合計がちょうど50点になったプレイヤー勝利する、というものです。最低2人からでもプレーすることができますが、多くは2~4人のチーム戦を行います。
2本以上のピンを倒すと、倒したピンの「本数」が点数になったり、ぴったり50点にならず、1点でも超えてしまうと、点数が25点になる……というルールがあり、ただピンを倒すだけではなく、どのように50点を先に取るか、相手を50点にさせないか、などといった戦略性もあります。
昨年から徐々に競技人口が増えつつあるモルック。実は町田にも日本モルック協会の公認を受けた団体、『モルック町田』があるのです。
■スタートは「おもしろそうだから」という興味
モルックの世界大会に日本人が初めて参戦したのは2010年のこと。日本モルック協会が設立されてから今年で丸10年ということで、まだ日本では歴史が浅い競技だということがわかります。さらに、「モルック町田」が誕生してからは半年も経っていません。
どのようにしてモルック町田は誕生したのか。モルック町田代表のたかっちさんにお話を聞きました。
「深夜の番組でモルックをプレーしているのを見て『おもしろそうだな』と思ったのがきっかけです。それで、自分が勤めている会社『町田企画』のみんなにやってみようよ、と持ち掛けたんです。
『町田企画』の業務内容は総合ディスプレイなんですが、それぞれ現場に直行するので、あんまり社員同士が会わないんですよね。これじゃあいけない、ということで交流の場を持っていたんですが、それが今までは飲み会でした。でも、飲めない社員ももちろんいるし、ちょっと体を動かしたほうがいいよね、と」
モルックは投擲競技ですが、下手投げということもあり、老若男女問わず楽しむことができます。まずケガをするようなこともないのもみんなで楽しめる大きなポイント。
観ていても楽しかったモルック、やってみるともっと楽しかったというたかっちさん。モルック用にSNSのアカウントなどを取得し、プレーしている人たちと交流をしていくうちに、「モルック町田」のその存在を広く知られていくようになりました。
ちょうど、モルック人口が急激に増え始め、日本モルック協会も公認団体の制度を導入したばかり。協会の活動に賛同し、モルック町田も公認団体となり、よりモルックに深くかかわっていくようになります。全国でも公認団体はまだまだ少なく、東京ではモルック町田を含めてまだ2つしかありません。
■興味を持ってくれた人がよりモルックを好きになってくれるように
モルックの良いところは、誰にでもすぐに始められるということだとたかっちさん。
「原町田にある芹ヶ谷公園でモルックをやっていると、お散歩しているおじいちゃんやおばあちゃんたちが、『なにこれ』『楽しそう』と興味を示してくれるんですね。
実際にやってみると、モルックとスキットルが当たった瞬間の音と感覚がとても気持ちいいんです。小さいお子さんも投げたがりますね。投げてモルックが倒れたら『すげえだろ!』って顔して。それに、モルックの数字を足し算していく、というのも子どもたちには良いみたいですね」
シンプルな競技だからこそ、みんなで楽しめる。初めましてでも一緒にプレーがしやすい。プレーをするときもニックネームで呼び合うのもより親しみやすくなるためです。
モルックのチームにもそれぞれ方針やカラーなどがありますが、モルック町田は競技の普及に力を入れています。
競技会場となる町田シバヒロ
「マイナー競技あるあるなんですけど、体験してみておもしろいな、と思っても次のステップがないんです。体験会などで興味を0から1にすることができても、20から30のところがなくて、急に100とかになってしまう。だからうちがその20とか30のステップのところになれればいいな、と。
3月28日にもシバヒロで大会を行うんですが、それも初心者向けのものなんです。県外からも親子で参加してくださる方がいらっしゃるんですよ。
あと、モルックのセットの貸し出しもしています。学校や福祉施設、養護施設で取り入れてみたいな、と思ってもまずはやってみないとわからないことって多いですから」
■町田が好きだから、もっと多くの人に知ってほしい
四国出身のたかっちさん。都営住宅に当選して町田に越してきたのがきっかけでしたが、今は「町田はとても好きな街」と言います。
「駅前はにぎやかでなんでも揃ってすごく便利だけど、ちょっと離れるとのどかで。とりあえず、県外の人たちにも町田の良さを知ってもらいたいですね。
モルック町田としても、協会主催の大会をできるだけシバヒロに誘致して、たくさんの人に集まってもらえたらいいな、と思っています。本当に小さいけれど、モルックが町田を知るきっかけになればいいな。そして、町田は町田らしく、活性化されていったらいいですよね」
モルックに対してはもちろんのこと、言葉の端々から「町田という町が好き」という熱い想いが感じられました。
「シバヒロで子どもたちが走り回っている風景とか、とても素敵ですよね」とたかっちさん。モルックがそんな風景を作り出すきっかけのひとつとなることは間違いなさそうです。
モルック町田
Twitter:@molkkymachida