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町田に音楽を響かせ続ける/『coffee&jazz NOISE』青柳哲司さん

2021.03.01

【店名】coffee&jazz NOISE
【ジャンル】カフェ&バー
【ご担当者】青柳哲司さん
【所在地】森野

体に響くジャズのBGM、使いこまれたスピーカー。

小田急線町田駅から徒歩5分、大通りから少し外れた裏路地にある『coffee&jazz NOISE』。
下北沢にあったジャズ喫茶NOISEの2号店として町田ジョルナにオープン、2019年5月6日に一度閉店したものの、多くのNOISEファンからの声もあり、2020年5月11日に現在の店舗で再スタートを切りました。

町田の音楽を作る場所のひとつ

若者が多く訪れる町田ジョルナに1980年にオープンしたジャズ喫茶NOISE。

ジャズをBGMに若者から年配の方まで、気兼ねなくくつろぐことができるスポットとして親しまれています。2011年からは不定期に生演奏ライブも行われ、多くのミュージシャンたちがこの場所で音楽を町田に届けてきました。
2019年には一度閉店を決意しますが、クラウドファンディングで出資者を募り、現在のNOISEをオープンするに至ったと言います。

今も大学生から70代、80代まで幅広い人が店を訪れています。結婚する前に町田ジョルナのNOISEに来ていたお客様が子どもを連れて訪れる……なんてこともあるのだそう。

長い歴史と共にたくさんの人たちの思い出が詰まっているNOISE。その裏には町田の音楽の要の場所のひとつであったNOISEを存続させたい、そして、アーティストたちの熱い想いがありました。

多くのミュージシャンが集う場所

3代目オーナーの青柳哲司さんにお話を伺いました。

「最初は店を閉じよう、という話になっていたんですけど、常連のお客様やスタッフと話をしているうちにクラウドファンディングというのがあるというのを知って。協力してもらってまたやろうよ、ということになりました。

NOISEでライブをしてくれていたミュージシャンたちの『NOISEをなくしたくない』という気持ちも大きな力になりました。町田出身のストレイテナーの日向秀和さんと松下マサナオさんのHH&MMが発起人となってNOISEの発祥の地でもある下北沢でチャリティーライブをやってくれたんです。ELLEGARDENの生形真一さんや、ストレイテナーのホリエアツシさんも来てくれて。

石田ショーキチさんのクラウドファンディング返礼ライブ(町田ノイズInstagram(@machida_noise)より)

クラウドファンディング返礼HHMMライブ(町田ノイズInstagram(@machida_noise)より)

クラウドファンディングの返礼品として昨年の12月にはHH&MMや、Spiral Lifeの石田ショーキチさんがNOISEでライブをやってくれました。そのあとも石田さんはうちから配信ライブをやったり、HH&MMは1月にもライブを行っています。

ライブをやり始めたのはジョルナのころなのですが、そのときに出演してくれた人たちの想いがあって、今のこの場所があると思います」

移転は町田以外に考えられなかった

ご夫婦でNOISEを経営している青柳さん。ジョルナで閉めてから、また町田で出店しよう、と思ったのには理由がありました。

「二十歳ぐらいのときに町田ジョルナのほうのNOISEでバイトしていたんですが、僕がやめたあとに、妻もNOISEでバイトしていたんです。

そのときに、お店をやりたいね、という話はしていました。僕は別のお店で働いていたんですが、当時のNOISEのオーナーが『店を辞めて新しい人生をやりたい』と。僕らが結婚して2人でお店をやりたいということは知っていたので、『じゃあ、やらないか』と話を持ちかけてもらいました。
2004年に引き継いで、今年で17年目になります。町田も、慣れ親しんでいるというか……もう地元みたいなものですね。

「移転するときには町田以外の地域からも誘いはあったんですけど、町田しか考えてなかったですね。町田が好きだから。
それに、町田にNOISEみたいな店を引き継がなきゃいけない、という気持ちはありました」

そして、多くの人の思い出が詰まった場所でもあります。

「オープン前、まだこの店を工事していたときに、看板だけ出していたら、70歳を越えるような方が『ここって下北沢にあったNOISE?』『復活したんだ』と声をかけてくれる人がいたのには驚きましたね。

他にも、ジョルナでオープンしてすぐにバイトをしていた方や、フラリと来た方が当時のジョルナの、別のお店で働いていて『お店ができたときのことを知ってるよ』と話してくれたり」

音楽で街に更なる活気を

新店舗がオープンしてまだ1年弱ですが、店には“馴染み”の空気があります。それは、町田ジョルナ時代に使っていた什器をそのまま新店舗に持ってきているからなのだそう。天井や上下水道などは業者にお願いしつつ、そのほかは自分たちの手で仕上げていきました。

「カウンターも自分たちで組み立てたり、壁もやりましたね。レンガが貼ってあるんですが、一部は常連さんがやってくれたんです。あとから『あのレンガは俺が貼ったんだ』なんて話していらっしゃったりするんですよ」

最後に、これからのお店の展望についてお聞きしました。

「やっぱりライブがやりたいですね。今、演者さん自身もやる機会が少ないので、モチベーションが下がってきてしまっています。
ジョルナ時代から使っているピアノもあるので、弾いてもらいたい。たまになんですけど、独特な、不思議な音を出してくれるんですよね。

あとは町田の個人店が増えてほしいんですね。チェーン店でも盛り上がってくれればいいんですけど。普通に気兼ねなく飲んでもらえるようになったらいいな、と思います。これは店の展望というか、全体的な展望でもありますが」

下北沢のころ数えると、40年以上の歴史があるNOISE。2度の移転、時勢による変化の中にありながらも常連客、そしてNOISEを愛するミュージシャンたち、みんなの想いが詰まった場所なのだということが分かります。
音楽という側面から町田をさらに活気づけてくれる場所としてこれからも人々に愛されて続けていくに違いありません。

【お店情報】
coffee&jazz NOISE
所在地:町田市森野1-37-10きめたハウジング第23ビル1F-B
TEL:042-851-8817
URL:https://jazznoise.jimdofree.com/
Twitter:@machidanoise instagram:@machida_noise

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