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【レポート】 焚火deトークショー「アウトドアのすすめ」 〜あなたにとってフィットするアウトドアの形は?〜 

2022.03.25

12月18日に行われた「MACHIDA OUTDOOR LABO」。アウトドアライフ発表会と一緒に行われていたのが「焚き火deトークショー『アウトドアのすすめ』」です。

アウトドアを普段の生活に取り入れたいけど、どうすればいいの? そのためのヒントを、さまざまな切り口からゲストと語ります。

 「アウトドア×サウナ」、「アウトドア×ちょっと田舎暮らし」、「アウトドア×はらたく、つなが」の3本のトークショーの模様をレポートします。

サウナはもはやアウトドアだ!?「アウトドア×サウナ」

トップバッターを飾ってくださったのはサウナ活動家の矢野伸さん。サウナの新規利用者を増やすことを目指して活動されています。

アウトドアとサウナを掛け合わせることでどんな楽しみ方ができるのか、そしてサウナの魅力について語っていただきました。

日本にあるサウナのうち100軒近くを訪れているという矢野さん。昨今のサウナブームが訪れる前から、その魅力に取りつかれていたのだそう。

 「アウトドアとサウナと言ったら、テントサウナは外せない」と矢野さん。

この日、シバヒロにはテントサウナも登場していましたが、「ざっくりいうと、テントにストーブを突っ込んだもの」。このテントサウナも人気なのです。

「なんでそんなに人気なのかというと、ついで感がいいんですよね。バーベキューや川遊びに行ったときに軽いノリで楽しめる。普通のサウナより空気の循環があるので、息苦しくなく長く入れる。それに、男女一緒に水着で気軽に楽しめる、というのが人気の要因になっています」(矢野さん)

最初はフィンランド製のテントサウナだけでしたが、少しずつ認知されるようになり、輸入されてくるテントサウナの種類も増えてきました。いまあるのはロシア製のものが多くなっているようです

そして、ついに、純国産のテントサウナも! すでにいくつかのブランドがサウナテントの開発に着手していると言います。

2022年はバリエーションがグッと増えるので、テントサウナシーンはますますおもしろくなるはず、と矢野さんは予測しつつも、怪しい商品も中にはあるので気をつけてほしいというアドバイスもありました。

 「アクティビティのひとつとして取り入れてみるとおもしろいし、すでにお知り合いの方で持っている人もいるかもしれません(笑)。テントサウナが常設されているキャンプ場もあるので、そこでまずは試してみるのがいいですね」(矢野さん)

そして、テントサウナと共に人気がでてきている、というのが屋外サウナ。

「サウナの本場フィンランドでは湖畔にサウナ小屋があるのがポピュラー。サウナに入って、湖に入る。日本では長野『The Sauna』が誕生してから、注目が高まっていてこういったアクティビティが全国的に支持されつつありますね。今後湖畔や川べりにどんどんサウナが増えていくだろうな、と思います」(矢野さん)

ほかにも、ビルの屋上にサウナ小屋を建てている施設もあり、さまざまなサウナの形が加速していま可能性もあるのだそう。

「サウナは、サウナに入って、水風呂に入って、休憩をするまでがワンセット。特に露天で休憩することを外気浴っていうんですけど、外気浴って広い意味で言うと、アウトドアのひとつだよね、と思うんです。それでサウナっていいな』、と思ったらテントサウナに興味を持ったり、水風呂の代わりに川に入ればかけ流しでフレッシュな水が気持ちいいんじゃない? とか。そんな感じでアウトドアとサウナって相性がいいんじゃないですか、って思います」(矢野さん)

トークショー終了後、矢野さんにお話を伺いました。

「アウトドアということで、どういう切り口で話そうかな、と悩んではいたんですけどやっぱり調べてみてアウトドアシーンにおけるサウナの存在感はどんどん増しているな、と感じたのでそれをお伝えしてみました。参加してくれた方はサウナ未体験でもアウトドアには興味がある方が多かったはず。今回のトークがきっかけでサウナとアウトドアの接点が増えていくといいな、と思います。町田のサウナ施設もいくつか紹介したんですけど、アウトドアでも町田でもサウナシーンが広がっていくといいですね」

キャンプを始めたい人必聴!「アウトドア×ちょっと田舎暮らし」

続いて登場してくださったのはちひろーかるさん。

アウトドアライフを楽しむために、都心から少し田舎に引っ越したフリーランスデザイナーさんです。

2021年の8月にハマり、最近では月に2回ぐらいの頻度で行っているというキャンプについてお話いただきました。今回のMACHIDA OUTDOOR LABOにぴったりすぎるお話です!

そんなちひろーかるさんがキャンプにハマッたきっかけとは……。

「今年の夏、帰省の予定がなくなって暇になったときに、普段、パソコンに向かってばかりだから、自然の中でゆっくりしたいなと思って。それでふとソロキャンプはどうかな? と思ったのがきっかけです」(ちひろーかるさん)

まずはネットでいろいろと調べて道具を揃えたと言います。

「テントは親が持っていたものを借りて、荷物を入れる登山用のリュック。椅子、テーブル、小さめ焚き火台、料理するためのバーナーは購入しました。焚き火で料理をするのもいいんですけど、燃料に限りがあるし、火消しにも時間がかかるので、バーナーは重宝しています。あとは小さい食器はダイソーで買いました。100均ショップはキャンプ用品が充実してきていますね」(ちひろーかるさん)

ほかには寝袋の下に敷くエアマットは買ってよかった!のこと。

昔はキャンプ泊というと大きな装備になってしまいがちですが、今は、どんどんコンパクトになっているようです。

そんな装備を整えて最初に行ったのは奥多摩にある氷川キャンプ場。

「奥多摩駅から徒歩3分ぐらいのところにあるキャンプ場で東京からも行きやすいんです。そこに行ってハマッちゃった感じですね」(ちひろーかるさん)

2回目のキャンプのときにはテントを購入し、着々とテント装備を整えていきました。今は平塚に移住されており、そこを拠点にいろんなキャンプ場を訪れています。

「茅ヶ崎市にある柳島キャンプ場はいろんな設備が整っていてオススメです。受付にもずっと人がいるし、家族連れが多いので初めてキャンプに行くには良い場所だと思います」(ちひろーかるさん)

最近は原付で移動。普段、荷物テントや寝袋も含めて、原付バイクに載るぐらいに抑えていると言います。

参加者の方とキャンプ場やキャンプ飯に関する情報交換なども繰り広げられて、互いの体験談に驚きの声が上がる場面も。

この日は普段、キャンプに行っている装備で来てくださったちひろーかるさん。終了後にお話をお伺いしました。

「すごく楽しかったです。キャンプをそれなりに経験している人が多かったので、いろいろ情報を仕入れられたのもよかったですね。

アウトドアライフ発表会のほうも参考になります。実際に見てみないと分からないアウトドアグッズも多いです。とは言っても、これ以上は荷物を増やしたら原付バイクで行けなくなっちゃうので(笑)」

その発想はなかった!?「アウトドア×はたらく、つながる」

ラストは外遊び好きが集まるシェアオフィス「MAKITAKI」を運営されている大宮恭治さん。 広告系の映像デザイナーとして活躍されています。

サーフィンと出会い、トレッキングやスノーボードなどアウトドアスポーツを始めた大宮さん。最近はマウンテンバイクにハマッているのだそう。根っからのアウトドア好きです!

「サーフィンとか、アウトドアのどういうところが好きなんですか? と聞かれるんですけど、よく考えたら言語化できないな、って。ただひとつ言えるのは本能に訴えかけてくるものが強いということ」(大宮さん)

そんなアウトドアが大好きな大宮さんが関わっているのが「MAKITAKI」と「HINOKO TOKYO」です。

 「MAKITAKIは、人々が焚き火を囲んでいるのと同じようなコミュニティを目指してつけた名前なんです。アウトドアの感覚を働くことに置き換えると、どういうふうになるんだろうな、というのをコミュニティメンバーと一緒に探求したり、実験する場です」(大宮さん)

なんとアウトドアをコンセプトにしたコアワーキングスペースは「世界初かもしれない」とのこと。 

「本当にアウトドア好きのメンバーが集まっていて、僕自身、フリーランスでずっとひとりで仕事をしていたんですけど、やっぱり仲間っていうのは好きで、業種は違えど、仕事場で共有できる場があるというのは最高だな、と。同じような価値観や感覚の方と一緒に何かできるのは大きな魅力だと思います」(大宮さん)

アウトドアと言っても、海と山と川と3種類あって、好きなフィールドによって性格も違うのではないか、と大宮さんは分析。それでも、どこかしらで繋がっていく感覚がある、と実体験から語ります。

そして、「HINOKO TOKYO」は「MAKITAKI」を作った運営メンバーによって桧原村に作られたキャンプ場です。

「2018年に出来た会員制のキャンプ場です。すべて区画がプライベート空間っていうのが売りのところ。キャンプできるだけじゃなくて、森ワークと言って森で働くことができますし、森で働くためのツールも開発中です。東京都唯一のオフグリッドサウナもあります」(大宮さん)

これだけの魅力的な環境ということで、今大人気の施設となっており、会員になるのにも2000人待ちとなのだとか!

「アウトドアがあることで、情報交換もかねて話がふくらみやすいし、コミュニケーションがとりやすい。コロナ禍でなかなか外に出られなくなってしまったとき、MAKITAKIの屋上に屋上菜園を作って野菜を作ったりとか。みんなで協力し合いながら作っていくのもよかったですね」(大宮さん)

アウトドアは遊び。仕事とは遠いことのように思えますが、人と人を繋ぐ接着剤になっています。そして、アウトドアをしている人ならではの価値観があります。

「個人的には、MAKITAKIをもっと地方にも作ってもらって、そこを拠点として交流ができるといいですよね。地域と地域が連携することによって、人の移動が促進するような事業をしてみたいですね。もちろん、テーマはアウトドアです」(大宮さん)

 この日はアウトドア発表会にも参加してくださっていた大宮さん。ご自身のテントの前でもお話をお聴きしました。

「自分の考えていることも紹介できていい機会だったな、と思いますね。

焚き火を囲んでイベントっていうのも、MAKITAKIのコンセプトにも合っていてよかったです」

アウトドアの楽しみ方が広がる!

アウトドアと言っても切り口はさまざま。かつてはハードルが高いように思われたキャンプも、装備の手の入りやすさなどから、「チャレンジしてみようかな?」という気持ちにもなるのではないでしょうか。アウトドアを始めてからもその広がり方は無限大。サウナもですし、まさか、「働き方」にまで関わってくるとは驚きです。

新しいアウトドアの形を感じられるトークショーでした。

 

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