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【レポート】\RIDE ON シバヒロ2022/ 星空シバヒロピクニック 〜初秋の月と夏の大三角を眺めながら宇宙に親しむ1日〜
2022.10.05
小田急線町田駅から徒歩6分の場所にある、町田シバヒロ。
広大な芝生は市民のみなさんの憩いの場所のひとつとなっています。
これまでに、シバヒロでは古本市やDIYワークショップ、野外映画などさまざまなイベントが行われてきました。
その中でも人気のイベントのひとつが天体望遠会。
企画が盛りだくさんだった9月3日の「星空シバヒロピクニック」の 模様をレポートします。
■シバヒロで宇宙を感じる!
星空や宇宙を感じられるのは夜だけ? いえいえ、そんなことはありません。
それが惑星ツアーです。
シバヒロ内に宇宙を再現! 200億分の1のスケールで太陽からスタートし、水星、金星、地球、火星、木星、土星が配置され、その惑星を順にめぐっていくというもの。実際に惑星と惑星を歩いて移動し、その距離を実感。「ここの惑星と惑星の間は意外と近いんだな」、逆に「こんなに遠いんだ!」などそのスケール感を体感することができます。確かにこうして見ると一番右にある水星と金星が意外と近いんだ、ということがわかります。200億分の1サイズの惑星も紹介されているのも興味深いところ。
そんな惑星ツアーをしながら、クイズを解いていきます。
ご家族だったり、お友達同士だったりと、たくさんの人が参加してくださいました。
お子さんたちにお話を聞くと、「楽しい!」という感想が多く寄せられました。「クイズが難しかった!」という声もある一方で、「おもしろかった」、「改めて宇宙に興味が湧いた」という声も。
『星空の学校~École Étoile~』のみなさんにお話をお聞きすると、こういった惑星ツアーはよく行われるイベントのひとつなのだそうです。
「例えば、駅から天文台の間でやったり。今回はシバヒロという広さがあるのでそこに入るサイズ200億分の1でやってみました。参加してくださった方は、まず『地球ちっちゃ!』という感想が多かったですね(笑)。みなさん、興味を持って参加してくださっていましたし、昼の明るい時間だとお子さんにも楽しんでいただけてよかったです」
200億分の1という縮尺でも、惑星それぞれの大きさが実感できるイベントだったのかもしれません。
■ダンボールでプラネタリウムを作る!
夕暮れが近づいてくる時間にスタートしたのが「ダンボールプラネタリウム」のワークショップ。身近にある段ボール箱やアルミホイル、スマホのライトを使って簡単に作れるプラネタリウムです。昨年も実施し、大好評だったワークショップ。
講師は前回に引き続き、江川英明さん、江川晋子さん。
アルミホイルに星となる穴をボールペンや画鋲などであけていき、最後に段ボールに貼り付け、ダンボールの中からスマホのライトなどで照らすと部屋の中に星空が広がる……というわけです!
今回はイベントが行われた9月3日の星空のプラネタリウムを作っていきます。
そして、意外と夢中になるのがアルミホイルに穴を開ける作業。
「子どもの付き添いで来ただけなんですけど、手伝っているうちに楽しくなってきました」と笑顔を見せるお母さんも。お子さんたちは、プラネタリウム作りはもちろん、箱にスタンプやイラストを描いたり、という作業にも楽しそうに取り組んでくれていました。
また、この日は、「好きな星座が見える!ミニミニプラネタリウムワークショップ」も開催。
こちらは好きな星座を選んでアルミホイルに穴を開け、小さな紙筒から光を当てて投影できる、というもの。
小さいお子さんもたくさん参加してくださり、大盛況でした!
「これなら、おうちでもまた作れそう」という声も!
2回目の開催となった段ボールプラネタリウムのワークショップ。講師の江川さんの感想は?
「前回は準備万端で取り組んでいたんですけど、今回は2度目ということで気楽に始めたら、ちょっと慌ててしまうこともありました(笑)。
みなさん、作り方もスムーズに理解していただけてホッとしています。わりと時間もかからずに完成しましたし。ミニミニプラネタリウムもたくさんの方に来ていただけて、用意してきてよかったです!」
そして、片付け中に見つけた、と江川さんが見せてくださったのはこんなメッセージ。
なんだか嬉しくなってしまいますね。
■天体望遠会スタート!
雨予報だったこの日。しかし、幸いにも晴天に恵まれ、開催が危ぶまれていた天体望遠会も無事に行われました。
すると、『星空の学校~École Étoile~』のみなさんがザワザワ。
望遠鏡を熱心に覗いていらっしゃいます。
実はこの日は月面Xが見える日だったのです。
月面Xとはクレーターの壁が作り出すXの模様のこと。
実際に望遠鏡を覗いて月面Xを確認したご家族。お子さんたちはXよりも「クレーターがたくさんあった!」とテンション高めに教えてくれました。
「こんなふうに月をじっくり見られることはないのでいい経験でした。親も一緒に楽しんでしまっています」とお母さん。
そう、大人も子どもも楽しめるのが天体望遠会です。お子さんが熱心に望遠鏡を覗いている横で、お父さんが「お父さんも観たいな~」とおっしゃっている様子が印象的でした。また、この日見かけたのが自分の望遠鏡を持っているお子さん!
「手作りの望遠鏡なんですけど、なんとな~く見えるみたいです」とお母さん。
実際に空を望遠鏡で見ていた娘さんは「お星さまが見えるよ!」と教えてくれました。こちらの男の子も手作り望遠鏡を持参!「覗いてもいいよ」とのことだったのでお借りしてみると、びっくりするほどにしっかりと見えます。好きな惑星を聞くと「土星も好きだけど海王星も好きなんだよなあ。でも一番はやっぱり地球かな」と悩ましげ。宇宙が大好きだそうで、お母さんも感化されて詳しくなり始めているのだそう。
「この前は筑波にある宇宙センターにも行ってきたんです。今日はFacebookでイベントがあるのを知ったんですけど、子どもに聞いたら来たいということだったので。晴れてよかったです。工作も好きなのでプラネタリウム作りも楽しめました」
また、シバヒロ内では『星空の学校~École Étoile~』のメンバーが撮影した星空写真を投影する、星空写真展も行われ、多くの方が鑑賞されていました。
■星空の下でヨガ体験!
すっかり暗くなったシバヒロ広場で始まったのはヨガ。
天体観測とヨガ? と不思議に思われるかもしれませんが、実は「宇宙に存在する物質は原子のレベルまで紐解くと、人間の体と同じ構成要素でできている」のだそう。
まずは『星空の学校~École Étoile~』のあきなさんの宇宙のお話からスタートです。お話としてはちょっと難しいことなのかもしれません。でも、知ってから体験するのと、知らないで体験するのとでは感じるものが違ってくるのかもしれません。
心地よく、そして学びの多いあきなさんのお話が終わると、いよいよmichikoさんによるヨガレッスンのスタート。
ヨガにもさまざまなポーズがありますが、多くの人がやりやすい、ゆったりとしたポーズで宇宙に溶け込みながらすすんでいきます。michikoさんの優しい声と、ゆったりとした動きに参加者のみなさんも次第にリラックスしていく様子がわかります。
最後は、大地に身を委ねながら、ヨガの根源にあるインド哲学、ウパニシャッドのお話に耳を傾けます。約1時間のレッスンを終え、参加者の方からは「こうやって夜やるのもいいな、と思って。芝生気持ちいいな。またやりたいな、と思いました」「哲学の話は難しいかな、と思ったんですが、話を聞いているうちに興味が湧きました」という声も。
今回のような「哲学を中心においたレッスンは初めて」というmichikoさんに、レッスン後のお話を伺いました。「ほかのレッスンでも哲学のお話をすることはあるんですが、今回のように全面に出してやるのは初めて。この2年間、ずっと勉強してきたことなので、何か感じてくださる方がいたらいいな、と思います。何かのきっかけになれば。レッスンを重ねて、ヨガの源泉にもっと触れてもらえるようになると思っています。もっともっと分かりやすくお話できるようになればいいな。
これまで、昼のシバヒロではレッスンをしたことがあったのですが、夜は初めて。夜のほうが雰囲気出るなあ、と思いました」
■シバヒロで夜のピクニックを楽しむ!
最後は夜のシバヒロで、ピクニックを楽しむ皆さんの様子をキャッチしました!こちらのみなさんは以前も夜のシバヒロにピクニックに来てくださっていたのだそう!
「前回、参加したときはちょっと寒かったんですけど、今日は過ごしやすくていいですね」とのこと。天体望遠会もバッチリ楽しんでくださっていたようです。こちらのご家族はお稽古事の帰りに立ち寄ってくださったとのこと。
「朝、シバヒロの前を通りかかったら、テントが張られていたのでなんだろうと思ってホームページを検索して。近所でテイクアウトしたものを持ってきました。いつもはシバヒロが7時でしまっちゃうので、こういうイベントがある日はゆっくりできてありがたいです」
お子さんからも「楽しい!」という言葉が! ヨガにも興味を持ってくれたようなのも嬉しい限りです。
たくさんの楽しみ方があったシバヒロで天体望遠会。
次はどんな夜空を見ることができるのか、楽しみですね。