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【レポート】町田・まち歩き「商店街編」街の魅力を探し、再発見してみよう!

2019.07.10

町田市が現在取り組んでいる中心市街地の活性化にあたり、キーポイントとなっている「町田シバヒロ」。移転した市役所跡地 約5,700㎡に競技用芝生を植えた、市民のための原っぱです。この場所を、町田をもっと面白くするための新たな拠点にすべく、いろいろなイベントや使い方を試みています。

そんな町田シバヒロで、6/1(土)に開催したイベント「町田・まち歩き -商店街編- 」。シバヒロをスタート地点に皆で街へ繰り出し、町田の魅力や課題を再発見して持ち帰って来ようという内容です。市内外から大勢の参加者が集まり、チームに別れて、13ヶ所もある町田の商店街を探索したこの日の様子をレポートします!

町田は商店街が元気

全国のいろいろな都市で駅前の商店街が寂れてシャッター街化し、再開発が行われて消えていく中、町田駅前は昔からある商店街がいまだに元気です。もともと二・六の市から始まり、商業の集積地として発展してきた町田。商店街の活気は「町田らしさ」の象徴かもしれません。

車で買い物に行くのが当たり前になった時代にも、町田市は、中心市街地に駐車場を適切に設置し、車を降りて歩いて回遊してもらう「人が中心のまちづくり」を行なってきました。今でこそ、フリンジパーキングや歩いて楽しいまちづくりが注目されるようになりましたが、町田市はずっと前からこうした方針で、駅前の賑わいを大事にしてきたのです。

それぞれ表情の違う13の商店街

そんな町田駅前には、全部で13もの商店街があります。かつてJR町田駅がもっと南側にあった名残もあり、大きな街道沿いから小さな路地沿いまで、比較的広範囲に渡ってさまざまな商店街があります。毎年秋に開かれる町田八幡宮のお祭りでは、この商店街ごとにお神輿を担いでいます。

町田の商店街をいくつか簡単にご紹介しましょう。
*以下、商店街情報は町田まちづくり公社ウェブサイトより

【町田仲見世商店街】町田で50年以上の歴史を持つ商店街で「西のアメ横」と言われる存在。レトロな風情のただよう全長80mの中、小さな間口、溢れる個性の店舗がたくさんの発見の多い商店街です。

【原町田四丁目商店会】
和菓子舗や精肉店など、駅周辺の中で「老舗」と言われる店が最も多い商店街で、通りには今風のチェーン店と古くからの個人商店が共存し、ぽっぽ町田イベント広場では各種イベントも開催しています。

【町田中央商店街】
町田駅前にある中央商店街は別名レンガ通りと言い、古くから町田や相模原の人に親しまれた商店街です。

【町田中町商店会】
町田第一小学校や町田シバヒロの前を通る、昼間は学校の登下校や公園へ遊びに来る子供たちの元気で溢れる商店街。夜はチェーン店ではないお洒落なお店が目立つスポットでもあります。

その他にもたくさんの商店街があります。
それぞれの特徴や位置などは、町田まちづくり公社のウェブサイトに掲載されています。

なぜ、まち歩きをするの?

さて、まち歩きの醍醐味はどこにあるのでしょう? いつもは何気なく素通りしていた街を注意して歩くことで、今まで気がつかなかった新たな景色やスポット、人、出来事などに出会えるのが面白い所です。

常日頃から全国のさまざまな街を歩き回っている、今回のイベントのコーディネーターのくまがいは、まち歩きのプロフェッショナル。「インターネットや他人から仕入れた1次・2次の情報ではなく、自分自身で街の0次情報を感じることが重要だ」と言います。

街で起きていることに気づく力、つまり「課題発見能力」を磨くこと。それが街の課題解決の第一歩です。そのセンスを養うのが「まち歩き」なんですね。

まち歩きを楽しむコツ

そんなくまがいから、参加者の皆さんに、まち歩きを楽しむコツが伝授されました。

【まち歩きを楽しむコツ】
・“私”が住みたい街を想像しよう

・課題を発見しよう

・好きを発見しよう

・美味しい食べ物屋さんを発見しよう

・街の人と話をしよう

・みんなで情報を共有しよう

街を歩く中で発見した、自分なりの視点での「課題」と「好き」を撮影して戻って来るようにとミッションが伝えられ、参加者の皆さんはチームごとに作戦会議。限られた時間でどこに行くかを相談した後、フィールドワークへ出発しました。

いよいよ、まち歩きスタート!

今日は、シバヒロのすぐ近くに住んでいる2人のお子さんのいるご家族と、今年の春から町田市に仕事で通うようになった新卒社会人のお2人、そして3年前に埼玉県から町田の近くに移ってきた女性から成るグループに密着です。

シバヒロを出て歩くこと1分、町田中町商店街にある老舗「圡方精肉店」の軒先にある焼き鳥の屋台で、早くも焼き鳥をゲット。その5分後に、今度はみたらし団子を。どうやらこのチームのテーマは「食べ歩き」のようです。

あのー、まだシバヒロから200mです。

その後、一行は小田急線の踏切を渡り、町田中央商店街へ。お店の入れ替わりも多い激戦区ではありますが、そんな中にも、1957年から60年以上続いている洋食店「グリルママ」さんなど、昭和レトロなお店も現役です。

ちなみに新卒のお2人は平成生まれ…。彼らにとって、このお店の佇まいは「懐かしい」ではなく「新しい」んでしょうね。

東急ツインズ横のスペースでは、森野に店舗のある人気パン屋さん「サニーベッカリー」さんがキッチンカーで出店していました。北海道産の小麦ゆめちからを使ったモチモチ食感のパンは毎度売り切れ必至。チームの皆さん、当然この後、いろんなパンを買い求めていました。

そして一行は、町田パークアベニュー商店会、ターミナルロード商店会を通り…

町田の名物、仲見世商店街に到着。今日もたくさんの人で賑わっています!

お目当ては、商店街入り口に向かって左側の「小陽生煎饅頭屋(しょうようせんちんまんじゅうや)」の揚げ小籠包。毎日行列の絶えない人気店です。食い入るように見つめております。

並んだ甲斐あって、揚げ小籠包ゲット! 誇らしげなお顔です。

一行はそのまま仲見世通り商店街を通り抜け、反対側の原町田四丁目商店街へ。ここには、駐車場と物販店舗やカフェ、貸し会議室などが一体となった施設「ぽっぽ町田」があります。通りに面した広場には樹が植えられ、木陰で読書をしたりおしゃべりをしたりと、思い思いに寛ぐ街の人の姿が日常的に見られる、街なかのオアシス的スポット。

広場ではバザーなどさまざまなイベントが開催されています。この日は、大道芸人のパフォーマンスが!

チームの皆さんは、広場の木陰のベンチに座って、できたての揚げ小籠包を食べることにしたようです。

揚げ小籠包、熱ッ!

この辺で時間いっぱいとなり、一行はシバヒロへ。

帰り道の途中では、夕方16:00前からすでにオープンしている立ち呑み屋さんや、行列ができている流行りのタピオカ屋さんなど、町田の客層の幅広さを感じさせるお店も発見しました。

ミッションである、チームの記念写真もパチリ。
お腹も心も満たされた、大充実のまち歩きでしたね!

全てのチームがシバヒロに再集合した所で、持ち帰った「好き」と「課題」を整理します。皆さん、今まで気がつかなかったいろんなことが見えたようですね。

まち歩きから見えてきた、町田の魅力と課題

そして、各チームごとに発見した町田の魅力と課題をまとめ、発表しました。

【町田の魅力】
・気軽に美味しいものが食べられる
・レトロ×NEWが混在している
・自然と都会が共存
・いろんな世代が街にいる
・子どもや学生を含め、若い世代が多い
・老舗のお店が多い
・緑が近い
【町田の課題】
・マップがあると街がもっとよく分かる
・街なかにベンチがほしい
・街なかにゴミ箱がない
・ベビーカーだと段差が多い
・保育園の隣にパチンコ屋がある
・チェーン店が目立つ
・街のなかに汚い所がある
・周辺の町の人は町田に来るのに、町田市内の北部の人はなかなか来ない
【アイデア】
・町田のアプリを作って、市民が街の情報を投稿。43万人で作るマップ
・中心部は家賃が高いので、シバヒロ周辺などちょっと外れたエリアに個人のお店を増やし、子育てもしやすいゾーンであることをアピール

最後に、町田市経済観光部産業政策課の萩原さんから、今日の感想をお話しいただきました。

萩原さん「改めてまち歩きをしてみて、やはり個人店が見つけづらいという実感がありました。町田には良いお店がたくさんあるので、食べ歩きを楽しむ人がもっと増えると良いのですが、それには街の清潔感や、ゴミ箱の設置も必要だなと個人的には感じました。例えば、食べ歩きマップを作成して、それに参画しているお店ではゴミを引き取ってくれるなど、鎌倉みたいな取り組みができると良いのかもしれません。そういうお店が増えて行くと、治安や風紀の上でも良い影響があるかもしれませんね。

私の出身地では、商店街は寂れてきていて、お年寄りばかりなんです。それに比べると町田はやはり人がたくさんいて元気! 今日は皆さんの視点がとても参考になったので、全部とはいかないかもしれませんが、今後のまちづくりに生かしていきたいと思います」

「まち歩き」は、誰にでもできる気軽な「まちづくり」

町田は、街なかに個人経営の多彩なお店や、ちょっとした憩いのスポットなどが点在していて、それがまるでテーマパークのアトラクションのように面白い街です。

まち歩きをすることで、街への新たな接点が増え、今まで同じ街にいるのに交わることのなかった人同士が交わり、つながって行きます。それこそが、賑わいや活気につながるアクション。まち歩きは、歩き回ることで街に参加して行く立派な「まちづくり」の一つと言えます。難しくなく、誰にでもできる方法ですね。

今日の参加者の皆さんは、街がより身近に、自分事になり、街に愛情が湧いてきたのではないでしょうか。今後もこのシバヒロを起点に、テーマを変えたまち歩きイベントを随時開催していきます。ぜひ、お友達やご家族と参加して、町田をもっと楽しんでください。

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